先日、折り込み広告で希望に近い物件を見つけたので、電話で問い合わせをしてみました。
その中で、販売価格が予算を250万円ほどオーバーしていたので、値引きが出来るか聞いてみたところ、「任意売却物件なので、値引きに関しては無理です。」と言われました。
任意売却物件とはどういったもので、任意売却物件だと値引きは全くしてもらえないのでしょうか?
住宅ローンの返済は30年以上にわたることも珍しくなく、その間に病気やリストラなどで住宅ローンの返済が厳しくなるケースもあります。
ローンの返済が出来ず家を売却する方もいるのですが、その際に問題となるのが住宅ローンの残債です。
売却金額が残債を上回っていれば、住宅ローンを貸している銀行などの金融機関に一括返済できるため問題がないのですが、残債のほうが売却金額を上回っているとその分を自分の貯金などで穴埋めしなければいけません。
しかし、住宅ローンの返済が出来ない方はそういった資金を持っていることが少なく、結果として銀行に差し押さえられて、競売で家を売却されてしまいます。
そうなると、持ち主が強制退去させられるだけでなく、銀行も競売では市場価格よりもかなり低い金額でしか売れないため、残債の回収金額が少なくなるデメリットがあります。
そのため、こういったケースでは任意売却をすることが増えています。
任意売却とは、残債が売却価格を上回っている場合に、売主と金融機関が話し合いの上で販売金額を決めて売却し、残りの赤字分は売却後も売主が返済していく方法です。
つまり、任意売却物件は販売価格でも売主や銀行にとっては赤字なうえ、販売可能期間も限られているため価格を抑えめにして売れやすくしていることが多いので、値引きが難しいのです。
任意売却物件は、売主側は金融機関との調整が必要になりますが、買主側は通常の不動産売買と流れは変わりません。